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2015/07/01(水)
あそこが熱を持って、ずきずきと脈打っている。
このまま続けたらもっともっと感じるとわかっていた。
――なんか私、どんどんエッチになっていく。
そういえば、今週号の『アゥアゥ』で、ひとりエッチが女の官能力を磨くっていう特集記事があったっけ。
確かに自分でする時は、自由に好きなイメージでするし、思ったように触ることができる。
でも私の場合は、ひとりエッチよりも、ケンジにされたことの方が影響がでかい。
この前ケンジにされた時から、なんか気分とか妄想とか欲求だけじゃなくて、身体自体が変わっちゃったみたいなのだ。
別に官能力磨きたいなんて思ったわけじゃないのに、身体が勝手に「もっともっと」と言ってる気がする。
それにもし雑誌の特集がホントだったら、こうしてヤツの言う通りに、だけど自分で触ってるのって、どうなんだろう?
もしかして私、自分でも気がつかないうちに、自分で自分を磨いてしまってる?
しかも、官能力なんて奇麗なもんじゃなくて、エロエロ変態性欲って気がするんですけど?
ヤツの言うとおりに、クリの左右に這わした2本の指をゆっくりと閉じていく。
襞を押しだすみたいに挟み込む。
興奮した私のそこは、とんでもなくヤらしくなっていた。
襞の外から触ってるのに、はっきりとした輪郭が感じられる。
そこはあっという間に、さっき触ってた時の大きさを取り戻していた。
くっ、と、声にならない息が漏れた。
それに反応したみたいに、微かにしわがれた声でケンジが聞いてきた。
「挟んだ?」
「ああっ、うんっ」
「どうやって挟んでる?」
「あ、あの、人さし指と中指で……」
「じゃあ、そのまま動かさずにじっとしてろな?」
「あ、あっ、う、ん……」
頭が熱くて、朦朧としてる。
なのに、はっきりと意識が集中している部分がある。
ケンジの声。
自分の指。
そして、ずきずき疼くクリ……。
――ああ、おかしい。
おかしくて、気持ちいい。
自分がしていることが、よくわからない。
恥ずかしい。恥ずかしいけど、このままじゃ終われない。
最後まで、イくまで、――ああ、ケンジっ。
「マリさ、知ってた?」
「……な、何?」
「クリトリスって、男のペニスと同じようなもんなんだって」
「何、が……?」
「女と男とで構造とかは違うわけだけど、発生学的には同じものが分化したんだってよ」
ああ、もうっ。
コイツの頭には、そういうエロい情報しか詰まっていないのか?
って、そういうことしか詰まってなさそうだ……。
でも、今は私の脳味噌だってエロエロの極致だ。人のこといえない。
指の間でドクドクと脈を打ってる“それ”と“あれ”が同じだなんて、そんなこと言われたってどうしていいかわかんないけど。
私は何も言い返せなかった。
ヤツは一人で勝手にぺらぺら喋っていた。
「ただし、ひとつ大きな違いがあるんだな。ペニスはさ、男性器であると同時に排泄器官でもあるだろ? でもクリトリスは、ただ快感を感じるためだけに存在してるんだよ。そんな器官は、人間の身体の中でも唯一クリだけなんだって。……って、ネットの受け売りだけどさ」
ケンジの話は、ほとんど聞いてなかった。
指動かしたくなっている……。
そのことで頭がいっぱいだった。
動き出しそうになる指先を押さえることに、意識を集中している。
指から、脈が伝わってくる。
それは間違いなく、快感を保証している。
「動かしちゃ駄目」そう思っていた筈なのに、いつの間にか「動かしたい」に変わっている。
欲求が、私を激しく誘惑する。
――ああ、もう、どうしたらいいの?
我慢できなかった。
ほんの少しだけ、こっそり動かした。
その途端、なんともいえない快感が走り抜けた。
大きな喘ぎ声を上げそうになった。
くふっと、鼻が鳴った。
なんとか息を押し殺した。
それが精一杯だった。
どうやらケンジには気付かれなかったらしい。
ヤツはおしゃべりを続けていた。
「しかも、神経の量はペニスと同じ。なのに、サイズは全然違うだろ? 単位面積あたりの神経分布を考えたら、そりゃ敏感だろって話」
や、だ……。
聞いてないつもりだったのに、突然イメージが膨らむ。
ケンジの“あれ”の感触や重さを思い出していた。
とうてい片手にはおさまらないサイズ。大きくて熱くて、ちょっと凶暴そうで、でも、そこに触るとそれだけで私はおかしな気分になる……。
“あれ”って、どうしてあんなにサイズが変わるんだろう?
クリだって膨らむけど、あそこまで大きく変化はしない。
そもそも、あまりにサイズが違う。
あれと同じだけの神経が、私の指先に挟まれてる小さな器官に詰まっている? それって本当なんだろうか?
――ああ、どうしよう。
確かにそこは、凄く敏感だ。
こうして挟んでいると、疼く度にそれだけで快感が走る。
そして、どんどん欲求が湧いてくる。
気持ちよく、なりたい。
もう、ほんとに限界だった。
53:08/02/09 02:54 ID:xSltoXxT
我慢できずに、またちょっと指が動いた。
今度ははっきり声が漏れた。
「あぅっ」
「あ、オマエ、指動かしただろ?」
「だ、……だってっ」
「だって、何?」
「あ、あのっ、押さえてると、おかしくなる」
「おかしくなっていいよ、なればいいじゃん」
「……もう、なってるよ。ケンジの言う通りに、しちゃってるし」
「動かすなっていったんだぞ?」
「今は、止めてるよ……」
「どんな感じだ?」
「ズキズキする……」
「どこがズキズキするんだ?」
「あっ、あのっ、……クリが」
「疼いてるってこと?」
「うん、うんっ」
脈が大きくなっていた。
まるでそこが意思を持っていて、動かして欲しいと言ってるみたいだ。
……したい。指を、動かしたい。
――おかしくなる。
「……ね、ねえっ」
自分じゃないみたいな生々しい声。
ああ、欲情してる。
したくてたまらない。
「マリクリぃ~」
ああ、呼ばれた。
呼ばれちゃったよ。
「……は、はい」
「お、すげー素直じゃん」
「だ、だって……」
「マリクリ」
「ああっ、もう、駄目っ、もうホントに」
「ホントに、何?」
「指、動いちゃうよ」
「もうちょっとだけ待てってば」
「もう、我慢できなくなりそう……」
「じゃあ、ルールその1」
「な、何っ?」
「俺はマリクリにいっぱい触りたい。でも、今は触ることも舐めることもできないだろ? だから、ルールその1。今日はマリが俺の代わりに触るんだから、俺と同じくらいマリクリに対する愛を持ってやること」
「……ええっ? え、あっ、う、うんっ」
「ルールその2。我慢したりしないで、いっぱい声を出すこと」
「う、う、んっ……」
「ルールその3。俺の指示にはちゃんと従うこと」
「ああっ、うん。……わかっ、た」
その後ちょっとの間、ケンジは黙り込んだ。
沈黙すら、私を燃え上がらせる。
激しい期待と予感が、指の内側で震えていた。